下北沢の雑貨屋というかなんでも屋というかセレクトショップというか、いや、むしろ店主の好きなものしか置いていない小さな店で見つけたサボテン。値札がついてなかったサボテン。
店の前で他のサボテンと一緒に置かれていた。値段が付いていなかったので、店のおじさんに聞いてみると、ちょっと悲しそうな顔をしながら「これか・・・1500円」「これ、すごくいいでしょ?」と。どうやら自分でとても気に入っていたらしく、もしかしたらそれで値札がついてなかったのかもしれない。
お店というのは、自分がほしいものを売ればいいんだろうな。マーケティングってなんだ? 消費者がほしいものを売るってなんだ? 売りたくなかったら売らなくたっていいわけだ。でも、いまものを売っている人の中で手放すのが悲しいなんて人はどれくらいいるのだろうか。スーパーのレジで、「これ、売りたくないんでダメです。」なんて言われてみたいな・・・なんてくだらないことも考えた。
その後、おじさんはいろいろ話し出した。「世の中、何でも二元論。みんな何かものを見つけても、これは高いなあ・安いなあしか言わない。本当にほしいってものは、それがほしい、だからいくら払うって・・・そんなものだよね」とか「みんな、お金、経済、お金。いま、もし、中国の人がみんな今の日本人みたいな暮らしを始めたらたいへんなことになるよね・・・。世界が壊れてしまう・・・」「宗教っていうより、精神的な問題?そういうのがないとだめになっちゃうよなあ」「人間も植物みたいに、生きられたらいいよね。このサボテンみたいに・・・」と。
サボテンを育てる注意点もいろいろ教えてくれた。「なるべく日は当った方がいいね・・・」「サボテン枯らしちゃうのってだいたい根ぐさりだから、水やりは慎重に・・・」「でも、あまりにもほおっておくんじゃなくて面倒みてあげてね。」と言った最後に、「でもね、枯れても気にしちゃだめだよ」と。
このサボテンはひとつの村のようで、ひとつひとつが主張し合わないで、下からも小さなやつがにょきっと生えてきている。でも、どれもみな生き生きとしている。「株分けも出来るよ」と言っていた。枯らしても、気にしちゃだめなのか。でも、なるべく村を存続させてあげたい。
こんなデザインが出来る人になりたい、と思う。